この記事では、Eclipse SDVとプロジェクトの一覧を紹介します。 内容は2025年1月19日時点の調査に基づいていますので、最新の情報とは異なる場合があります。
前置き
車載ソフトウェアの分野で注目を集めているSDV(Software Defined Vehicle: ソフトウェア定義車両)。 Eclipse Foundationもこの動きを捉え、2022年3月に「Eclipse SDV」というワーキンググループを発足しました。 創設メンバーにはETAS、Microsoft、ZFなどが名を連ねています。 実際の活動は2021年から始まっており、Charter(憲章)のドラフトがその頃から作成されていました。
Eclipse SDVの目的
Charterによると、 Eclipse SDVの目的は以下の通りです。
Eclipse SDVのミッション
- 車載および車両周辺のシステムの開発と展開をサポートするオープンソースソフトウェアや仕様、オープンコラボレーションモデルの構築、促進
- 業界標準に対応した、スケーラブル、モジュラーで、拡張可能なプラットフォーム
目的
- 自動車産業の断片化された市場で競争できるOSSソリューションを推奨、開発、促進
- コードファーストのアプローチでエコシステムを構築
- コード成果物の実装とオンボーディングに重点
3つのコンポーネントモデルを定義
- SDV.Dev
- クラウドベースのデプロイおよびアプリケーション管理環境と統合された、車載および関連するオフビークルアプリケーションの最新開発を可能にする開発ツールチェインとワークフローに焦点
- SDV.Ops
- 既存のモビリティクラウドソリューションと統合し、大規模な車両フリートのソフトウェアスタック管理を可能にし、確立されたオープンスタンダードをサポート
- SDV.Edge
- クラウドネイティブ技術を品質管理(QM)や安全性に関連するドメインを含む、さまざまな車載ソフトウェアドメインに導入することを焦点
その他取り組み
- SDVに必要なコンポーネントのオープンソース実装の促進
- SDV 関連のオープンソース プロジェクトが開発で活用する可能性のある品質管理、機能安全、サプライチェーン、セキュリティなどのプロセスを定義、文書化、推進
- これらのプロセスを活用するプロジェクトのルールとブランディング プロセスを定義し、プロセスの成熟度を市場に知らせる
- このワーキング グループの範囲内で定義されているインターフェース仕様を正式化するために、EFSP を調整および管理
- 相互運用性を確保するために、これらのコンポーネントの実装の互換性ルールと互換性およびブランディング プロセスを定義
- リファレンス配布を有効にし、さまざまな開発者ツールチェーンでの統合を促進
- コミュニティが簡単に使用および拡張できるソフトウェア定義車両エコシステムを確立するソフトウェア プラットフォームを定義
- ソフトウェア プラットフォームの作成と進化において開発者コミュニティをサポート
- このワーキング グループとそのコミュニティが持続可能な形で運営できるようにする資金調達モデルの推進
- Eclipse SDV ブランド、および運営委員会と Eclipse Foundation によって承認されたその他のブランド、および市場でのその価値の促進
- Eclipse SDV エコシステムにベンダー中立のマーケティングおよびその他のサービスを提供
- 他のオープンソースおよび仕様コミュニティとコミュニケーション/連絡
- コミュニティの参加を促進し、コミュニティ メンバーを保護し、使用を促進する、Eclipse 定義のライセンスと知的財産フローを活用します。
- オープンソース プロジェクトに関連する全体的な技術およびビジネス戦略を管理
参画企業
- ストラテジメンバー
- 9社
- 参加メンバー
- 24社
- サポーティングメンバー
- 21社
- ゲストメンバー
- 6社
特筆すべきは、Microsoftがストラテジーメンバーである点です。
他プロジェクトとの関連
2024年に「COVESA」「AUTOSAR」「Eclipse」「SOAFEE」が共同で「SDV Alliance」を発足することを発表。 各団体が提供するコンポーネントを組み合わせたエコシステム構築が進行しています。 この動きには、EUの「Horizon Europe」戦略も影響を与えていると推測されます。
プロジェクトの一覧
2025/01/18現在、27個のプロジェクトが存在します。
Eclipse ADAAA (Adaptive Cruise Control Demo Application for Adaptive AUTOSAR)
- automotive
Eclipse Ambient Light Services
- automotive
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- automotive
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- containers
- orchestration
- systemd
- service manager
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- automotive
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- automotive
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- automotive
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- automotive
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- automotive
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- automotive
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- automotive
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- automotive
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- automotive
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- automotive
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- edge
- protocol
- wire efficiency
- Robotics
- ROS2
- data-flow programming
Eclipse eCAL (enhanced Communication Abstraction Layer)
- automotive
-
- automotive
-
- automotive
※プロジェクト名の下に記載したのは、Eclipse Projectに付与されているタグです。
まとめ
この記事では、Eclipse SDVワーキンググループの概要とプロジェクト一覧を紹介しました。 プロジェクトによって活動の活発さは異なりますが、今後は特に活発なプロジェクトや、動作確認可能なものについて詳しく紹介する予定です。
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